英語で説明する力を鍛える“言語化トレーニング”

英会話勉強

「英単語はそれなりに覚えたのに、英語で説明しようとすると言葉が出てこない」

「簡単な質問には答えられるけれど、自分の考えを詳しく話そうとすると止まってしまう」

「日本語では分かっているのに、英語にしようとすると何を言えばいいのか分からなくなる」

英語を勉強していると、このような壁にぶつかることがあります。

そこで、

「もっと英単語を覚えないと」

「もっと文法を勉強しないと」

と考える人も多いでしょう。

もちろん、単語や文法の知識は必要です。

しかし、英語で説明できない原因は、必ずしも英語力だけにあるとは限りません。

実は、

「そもそも何を伝えたいのかを整理できていない」

ことが原因になっている場合があります。

そこで今回紹介したいのが、

「言語化トレーニング」

です。

自分が見たもの、感じたこと、考えたことを一度言葉にして、それを簡単な英語で説明していく。

この練習を続けると、「知っている英語を使って説明する力」が少しずつ身についていきます。

今回は、英語で説明する力を鍛えるための言語化トレーニングについて、初心者でも実践できる方法を詳しく紹介します。


1. 「英語が出てこない」は本当に英語力だけの問題?

例えば、英会話でこんな質問をされたとします。

“What do you like about your job?”

「あなたは自分の仕事のどんなところが好きですか?」

単語自体は、それほど難しくありません。

しかし、突然聞かれると、

「えっと……何が好きなんだろう?」

となってしまうことがあります。

これは英語以前に、

「自分は仕事の何が好きなのか」

を言語化できていない状態です。

例えば日本語で考えてみると、

「お客さんに喜んでもらえるのが好き」

「自分で考えて作るところが好き」

「毎回違う仕事ができるから飽きない」

など、いくつか理由が出てくるかもしれません。

ここまで整理できれば、英語はそれほど難しくありません。

例えば、

I like making things.

I like helping my clients.

Every project is different, so I don’t get bored.

簡単な英語でも十分説明できます。

つまり、英語を話すためには、

英語力+言語化力

の両方が必要なのです。


2. 「知っている」と「説明できる」は違う

例えば、

「スマートフォンとは何ですか?」

と聞かれたとします。

もちろん、スマートフォンが何なのかは誰でも知っています。

しかし、

「では、スマートフォンを知らない人に説明してください」

と言われると、意外と難しくありませんか?

「電話ができて……」

「インターネットが使えて……」

「アプリがあって……」

と、少し考える必要があります。

ここで重要なのが、

知識として知っていることと、言葉で説明できることは別

ということです。

これは英語でも同じです。

英単語を知っている。

英文法を知っている。

英文を読める。

それでも「自分の言葉で説明する」となると、別の能力が必要になります。

だからこそ、英語学習ではインプットだけではなく、

「自分で説明する練習」

を取り入れることが大切です。


3. 英語で説明するときは「完璧な翻訳」を目指さない

英語で説明するのが苦手な人ほど、

日本語を完璧な英語に変換しようとする

傾向があります。

例えば、

「最近、運動不足だから体力が落ちてきた気がする」

と言いたいとします。

これをそのまま英訳しようとすると、

「運動不足って英語で何?」

「体力が落ちるは?」

「〜な気がするは?」

と、一気に難しくなります。

そこで、一度日本語を簡単にします。

「最近あまり運動していない」

「だから前より疲れやすい」

ここまで分解すれば、

I don’t exercise much these days.

So I get tired more easily than before.

と言えます。

難しい単語は必要ありません。

英語で説明する力を鍛えるうえで大切なのは、

「日本語を英訳する」のではなく「意味を英語で作り直す」

という考え方です。


4. 言語化トレーニング①「目の前にあるもの」を説明する

最初におすすめしたいのが、

身の回りにあるものを説明する練習

です。

例えば、目の前にコーヒーカップがあるとします。

いきなり英語で説明するのが難しければ、まず日本語で特徴を考えます。

  • 白い
  • 小さい
  • コーヒーを入れる
  • 毎朝使っている
  • お気に入り

これを英語にします。

It’s a small white cup.

I use it for coffee.

I use it every morning.

It’s my favorite cup.

これだけで立派な説明になります。

他にも、

スマートフォン、パソコン、時計、財布、バッグ、イヤホン、机、椅子など、何でも構いません。

身近なものなら「何を説明すればいいか」が分かっているため、初心者でも取り組みやすいトレーニングです。


5. 「名前を言わずに説明する」とさらに効果的

慣れてきたら、

説明したいものの名前を使わない

というルールを追加してみましょう。

例えば「umbrella」という単語を使わずに傘を説明します。

You use it when it rains.

You hold it over your head.

It keeps you dry.

ここまで言えば、多くの人が「umbrella」だと分かります。

冷蔵庫なら、

It’s in the kitchen.

You put food and drinks in it.

It keeps them cold.

時計なら、

You use it to check the time.

Some people wear it on their wrist.

このトレーニングの良いところは、

知らない単語があっても会話を続ける力が身につくこと

です。

実際の英会話では、必ず知らない単語に出会います。

そんなとき、

「その単語を知らないから話せない」

ではなく、

「知っている単語を使って説明する」

ことができれば、会話を続けられます。


6. 言語化トレーニング②「5W1H」で説明する

何を説明すればいいのか分からないときに便利なのが、

5W1H

です。

  • Who:誰が
  • What:何を
  • When:いつ
  • Where:どこで
  • Why:なぜ
  • How:どのように

例えば、

「昨日友達と映画を見に行った」

という出来事を説明するとします。

まず整理します。

Who:友達と

What:映画を見た

When:昨日

Where:映画館

Why:見たかった映画だった

How:電車で行った

ここから必要な情報だけを英語にします。

I went to the movies with my friend yesterday.

We watched a movie I really wanted to see.

We went there by train.

これだけでも十分です。

「英語で何を話せばいいか分からない」というときは、英語力よりも情報整理の問題である場合があります。

そんなときに5W1Hを使うと、話す内容を整理しやすくなります。


7. 言語化トレーニング③「つまり何?」を考える

少し抽象的なことを説明するときにおすすめなのが、

「つまり何?」

と自分に問いかける方法です。

例えば、

「最近仕事のモチベーションが上がらない」

と言いたいとします。

そのまま英語にしようとせず、

「つまり何?」

と考えます。

すると、

「仕事を始める気にならない」

「仕事をしていても集中できない」

など、より具体的な内容にできます。

例えば、

I don’t feel like working these days.

It’s hard to focus on my work.

と表現できます。

もう一つ。

「この仕事はやりがいがある」

「つまり何?」

「この仕事をすると人の役に立てる」

「お客さんに喜んでもらえるとうれしい」

すると、

I can help people through my work.

I’m happy when my customers are happy.

と説明できます。

抽象的な日本語ほど、そのまま英語にしようとすると難しくなります。

そんなときは、

「それって具体的にはどういうこと?」

と考えてみてください。


8. 言語化トレーニング④「なぜ?」を3回繰り返す

自分の意見を英語で説明する力を鍛えたいなら、

「なぜ?」を繰り返す練習

もおすすめです。

例えば、

「私は旅行が好きです」

なぜ?

「知らない場所に行くのが楽しいから」

なぜ楽しい?

「新しいものを見ることができるから」

なぜそれが好き?

「普段とは違う経験ができるから」

ここまで考えると、話せる内容が一気に増えます。

英語なら、

I like traveling.

I enjoy visiting new places.

I can see new things and have different experiences.

と説明できます。

最初は、

I like traveling.

だけだったものが、「なぜ?」を繰り返すことで3文になりました。

英語で長く話せる人は、必ずしも難しい英語を使っているわけではありません。

一つのテーマを少し深く掘り下げられる人

なのです。


9. 「結論→理由→具体例」で説明する

自分の意見を説明するときは、

結論 → 理由 → 具体例

の型を覚えておくと非常に便利です。

例えば、

“Do you think learning English is important?”

と聞かれたとします。

まず結論。

Yes, I think it’s important.

次に理由。

Because English helps us communicate with people from different countries.

最後に具体例。

For example, we can use English when we travel or work with people from other countries.

この3段階だけで、かなりしっかりした回答になります。

ポイントは、一文を長くしないことです。

英語初心者ほど、

「長い文章=英語が上手」

と思ってしまいがちですが、そうではありません。

短い文章を論理的につなげること

の方が重要です。


10. 言語化トレーニング⑤「違い」を説明する

説明力を鍛えるのに効果的なのが、

二つのものの違いを説明する練習

です。

例えば、

「犬と猫の違い」

「電車とバスの違い」

「会社員とフリーランスの違い」

「都会と田舎の違い」

「オンライン授業と対面授業の違い」

などです。

例えば、電車とバスなら、

Trains are usually faster than buses.

Buses can go to more places.

Trains don’t get stuck in traffic.

と説明できます。

比較する対象があると、

big / small

fast / slow

cheap / expensive

easy / difficult

good / bad

など、基本的な形容詞を使う機会が増えます。

難しい英単語を覚えなくても、説明できる範囲がどんどん広がります。


11. 言語化トレーニング⑥「写真を見て説明する」

非常におすすめなのが、

写真を一枚見て英語で説明する練習

です。

例えば、カフェの写真を見たとします。

最初は見えているものだけで構いません。

There are three people.

They are sitting at a table.

They are drinking coffee.

次に、少し状況を想像します。

They look like friends.

Maybe they’re talking about work.

They look relaxed.

さらに、

「自分ならどうする?」

まで広げます。

I like cafes like this.

I sometimes work at a cafe.

I usually order coffee.

一枚の写真だけでも、

「見えるもの」

「状況」

「自分の意見・経験」

と広げることで、かなり長く話せます。


12. 「30秒説明」に挑戦する

ある程度慣れてきたら、

一つのテーマについて30秒話す

練習をしてみましょう。

例えばテーマを、

「My favorite food」

にします。

最初は、

My favorite food is sushi.

だけでも構いません。

次に理由を追加します。

I like sushi because it’s fresh and delicious.

さらに具体例。

I especially like salmon and tuna.

最後に経験。

I usually eat sushi with my family.

これだけでも20〜30秒程度の説明になります。

慣れてきたら、

30秒 → 1分 → 2分

と少しずつ時間を伸ばしていきましょう。


13. 日本語で一度「簡単に説明する」のも効果的

英語の練習だからといって、最初から英語だけで考える必要はありません。

むしろ初心者の場合、

最初に簡単な日本語で言語化する

ことも非常に効果的です。

例えば、

「AIについて説明してください」

と言われたとします。

いきなり英語にすると難しいでしょう。

まず日本語で、

「AIはコンピューターの技術」

「質問に答えたり、文章や画像を作ったりできる」

「最近は仕事でも使われている」

くらいまで簡単にします。

そのあと、

AI is a computer technology.

It can answer questions and create text and images.

Many people use AI for work now.

と英語にします。

専門的で完璧な説明でなくても構いません。

大切なのは、

自分が知っている英語で説明できるレベルまで内容をシンプルにすること

です。


14. ChatGPTを「説明力トレーナー」にする

言語化トレーニングは、ChatGPTなどの生成AIとも非常に相性がいいです。

例えば、

「英語の説明力を鍛えたいので、身近なテーマを一つ出してください。私が英語で説明するので、文法を修正したあと、中学生レベルの英語を使った自然な回答例を教えてください。」

と指示します。

テーマとして、

「スマートフォンとは?」

「あなたの仕事について」

「好きな食べ物について」

「大阪について」

「SNSのメリットとデメリット」

などを出してもらいます。

そして、自分で英語を作ります。

重要なのは、

最初からAIに回答を作ってもらわないこと

です。

まず自分で考える。

英語にする。

AIにチェックしてもらう。

別の言い方を確認する。

もう一度自分で説明する。

この順番で使うと、単なる答え合わせではなくトレーニングになります。


15. 毎日10分でできる「言語化トレーニング」

ここまで紹介した方法を、毎日続けやすい形にまとめてみましょう。

1分目:テーマを決める

身近なテーマで構いません。

「今日の仕事」

「昨日食べたもの」

「最近見た映画」

「自分の趣味」

などがおすすめです。

2〜3分目:日本語で整理する

5W1Hや、

「つまり?」

「なぜ?」

を使って内容を整理します。

4〜6分目:簡単な英語にする

難しい英語を使わず、自分が知っている表現だけで説明します。

7〜8分目:声に出す

作った文章を読むだけではなく、できれば文章を見ずに説明してみます。

9分目:別の表現を考える

同じ内容を違う英語でも説明できないか考えます。

10分目:答え合わせ

辞書やChatGPTなどを使って、より自然な表現を確認します。

毎日10分でも、このサイクルを繰り返すことが重要です。


16. 英語で説明できる人は「難しい単語を知っている人」ではない

英語が上手な人を見ると、

「語彙力がすごいから話せるんだ」

と思うことがあります。

もちろん語彙力も重要です。

しかし、本当にコミュニケーションが上手な人は、

知らない単語があっても説明できます。

例えば「炊飯器」という英単語が分からなくても、

It’s a machine for cooking rice.

と言える。

「花粉症」が分からなくても、

I have allergies in spring.

I sneeze a lot when there’s a lot of pollen.

など、知っている言葉で説明できます。

つまり、

英語で説明する力=難しい英単語を知っている量

ではありません。

むしろ、

持っている単語を組み合わせて意味を作る力

です。


17. 説明力がつくと英会話で「止まりにくくなる」

言語化トレーニングを続ける最大のメリットは、

英会話で止まりにくくなること

です。

今までは、

「この単語、英語で何だっけ?」

分からない。

沈黙。

となっていたところを、

「この単語が分からない」

「じゃあ説明しよう」

「簡単な言葉に変えよう」

と考えられるようになります。

例えば、

「予約変更」という表現が分からなくても、

I have a reservation, but I want to change the date.

と言えれば目的は達成できます。

実際のコミュニケーションでは、

正しい単語を知っていることより、目的を達成できること

の方が重要な場面もたくさんあります。


18. 英語を話す前に「日本語の言語化力」を鍛えてみる

英語学習というと、

「英語だけを勉強しなければ」

と思いがちです。

しかし、自分の考えを説明する力は、日本語でも鍛えることができます。

例えば今日から、

「なぜ自分はこの仕事をしているのか」

「なぜこの商品が好きなのか」

「なぜこの映画が面白かったのか」

「昨日何があったのか」

「このサービスは何のためにあるのか」

などを、一度言葉にしてみてください。

「なんとなく好き」

で終わらず、

「なぜ?」

と一歩掘り下げる。

「なんとなく大変だった」

ではなく、

「何が大変だった?」

と具体化する。

この習慣そのものが、英語で説明するときにも役立ちます。


まとめ:英語力だけでなく「伝える力」を鍛えよう

英語で説明できるようになるために必要なのは、単語や文法の知識だけではありません。

重要なのは、

「自分が何を伝えたいのかを整理して、知っている英語で組み立てる力」

です。

そのためには、

  • 身近なものを説明する
  • 名前を使わず特徴を説明する
  • 5W1Hで情報を整理する
  • 「つまり何?」と具体化する
  • 「なぜ?」を繰り返す
  • 「結論→理由→具体例」で話す
  • 二つのものの違いを説明する
  • 写真を見て状況を説明する
  • 一つのテーマを30秒で説明する

といった「言語化トレーニング」が効果的です。

最初から難しい英語を使う必要はありません。

むしろ、

「簡単な英語でどこまで説明できるか」

に挑戦してみてください。

例えば、目の前にあるスマートフォン。

英語で30秒説明できますか?

今日食べた昼ごはん。

なぜそれを選んだのか英語で説明できますか?

自分の仕事。

英語を知らない人にも分かるように説明できますか?

こうした小さな練習を毎日積み重ねていくことで、英語は「覚えたもの」から「自分で使えるもの」に変わっていきます。

そして、知らない単語に出会ったときにも、

「分からないから話せない」

ではなく、

「別の言葉で説明してみよう」

と考えられるようになります。

英語で説明する力を伸ばしたいなら、今日から単語を一つ増やすだけでなく、

目の前にあるものを、自分がすでに知っている英語で説明してみる。

そこから始めてみてください。

英語を「知っている」状態から、

英語で「伝えられる」状態へ。

そのための第一歩が、毎日の小さな「言語化トレーニング」です。

タイトルとURLをコピーしました